楽器の音色 Timbre of Music Instrument

音色を可視化する!

当たり前のことながら、音は目に見えません。

しかし、楽器を演奏するにあたってその音色は、楽器の振動や奏者の運動を可視化(visualization)することで見てある程度は確認ができるようになります。

ここではそういった研究についていくつかご紹介します。

 

楽器の音色

Timbre of old violin / cello by FFT analyzer, neural network, rosin and woods properties.

FFTアナライザーで新作ヴァイオリンとストラディバリ等のようなオールドヴァイオリンの音色の違いについて音響解析しています。写真は有名なストラディバリ(㈱文京楽器提供)の音を収録しその違いを新作楽器と音響の違いを解析したものです。また、松脂の摩擦や木材の加工処理による特性変化なども研究しています。現在は人工知能(Deep Learning)による音色の識別の試みをしています。more

構造・音響連成数値シミュレーション

COMSOL Multiphysicsを用いた有限要素法によるヴァイオリンの本体の振動モードと周辺音場の連成数値シミュレーションを行っています。現在、ストラディバリの高精度なMicroCTスキャンによる振動と放射音の同時解析に取り組んでいます。

イタリア・ミラノ工科大との共同研究

 

弦楽器演奏の可視化  

Visualization of play technique -

Motion capture of vibrato

写真のようにマーカーを各指に付けます。ヴィブラートをかけた時の左手の動きをモーションキャプチャです。

ヴィブラートは親指と弦を押さえる指を軸に、なだらかな回転をしていることが分かります。この回転運動が適切でないと綺麗でないヴィブラートになってしまいます。more

⇒Movie

木材と松脂の分析

Wood and Rosin for Violin

楽器に使われる木材が加工によりどのように音響的・機械的性質が変化するかを分析しています。バイオリン製作にはかつて(今も)熱や薬品などを使って古い楽器のような音色ができないかが試されてきました。FFTや音速、荷重、電子顕微鏡などの装置を駆使して分析しています。more

弦の振動の可視化

Visualization of Helmholtz vibration of cello string by high speed camera

ハイスピードカメラを使って、チェロのC線を弓がこする現象を超スロー映像を撮りました。ヘルムホルツの予測通り引っ掛け&解放の繰り返しにより弦が高速ではじかれている様子が分かります。弓の毛(馬の尻尾)は元はキューティクルですべすべしているのですが、そこに松脂の粒子が付着することで、そのでっぱりで弦がはじかれます。

 

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